夏かぜ

文字通り夏にはやる風邪のことを言います。代表的なものとしては手足口病、ヘルパンギーナ、プール熱(咽頭結膜熱)などがあります。ここではこの3つの病気についてお話ししたいと思います。

手足口病とは

原因となる微生物の代表はコクサクキーA16、A6、エンテロ71です。最近はコクサクキーA6が流行し、とびひにも似た大きな水疱を形成します。後に爪の変形や脱落を来すこともあります。

感染様式
飛沫感染、接触感染、経口(糞口)感染です。ウイルスの排出は呼吸器からは1〜2週間ですが、便からは数週間から数ヶ月とも言われています。

潜伏期
3〜6日

診断
臨床症状から診断します。現時点では迅速診断はありません。

症状
発熱と口の中に痛みを伴う水疱ができ、手足末端、肘、膝、お尻にも水疱がみられます。(そのため私は手足口肘膝けつ病と呼んでいます。)熱はヘルパンギーナに比べると低いことが多く、又持続期間もせいぜい3日程度でおさまります。しかし、口の中の痛みでよだれが増え、食事がとれなくなることもあります。そのため脱水には注意しなければいけません。
最近流行する手足口病はコクサクキーA6によるものが多く、大きな水疱を形成したり、四肢の上の方まで水疱が多発することもあります。エンテロウイルス属は無菌性髄膜炎の原因の90%をしめますが、エンテロ71(EV71)感染による脳炎を伴った重症例の報告があります。国内ではあまりありませんがアジア諸国では問題になっています。

合併症
上記のごとくエンテロ71では脳炎、コクサクキーA6では爪の変形、脱落があります。また、口の痛みにより水分摂取の低下が起こり脱水になる事があります。

治療・予防
有効な治療はなく、対処療法しかありません。また、予防は一般的な方法(うがい、手洗い、隔離など)しかありません。

登園・登校基準
熱がなく、全身状態がよいこと。また、口の中の症状が強いと他人にうつしやすいので食事がいつもと同じようにとれることが条件となります。

ヘルパンギーナとは

口の中に水疱、潰瘍を形成するのが特徴で原因の微生物は手足口病と同じくエンテロウイルスやコクサクキーウイルスです。

感染様式
手足口病と同じく飛沫感染、接触感染、経口(糞口)感染です。ウイルスの排出も呼吸器からは1〜2週間ですが、便からは数週間から数ヶ月とも言われています。

潜伏期
3〜6日

診断
臨床症状から診断します。現時点では迅速診断はありません。

症状
突然の高熱(39℃以上)、喉の痛みがみられます。喉には赤い発疹がみられ次第に水疱となり、潰瘍を形成することもあります。

合併症
これも手足口病と同じく髄膜炎や脳炎の合併があります。また、喉の痛みによる水分摂取低下のため脱水になる事もあります。

治療
有効な治療はなく、対処療法しかありません。また、予防は一般的な方法(うがい、手洗い、隔離など)しかありません。

登園・登校基準
熱がなく、全身状態がよいこと。また、口の中の症状が強いと他人にうつしやすいので食事がいつもと同じようにとれることが条件となります。

プール熱(咽頭結膜熱)とは

名前のごとく喉が赤くなり、結膜炎を生じ、高熱が出る疾患です。プールを介してうつることも多いのですが、プールに行かなくても感染します。原因の微生物はアデノウイルスです。

感染様式
飛沫感染、接触感染、プールでの目からの感染もあります。ウイルスの排出は初期数日が最も多いのですが、その後も数ヶ月持続することもあります。

潜伏期
2〜14日

診断
一般的にはアデノウイルスの迅速検査を結膜か咽頭で行います。

症状
高熱(39℃以上)、喉の痛み、頭痛、食欲不振を訴えます。熱は5日持続することも多いです。頸や後頭部のリンパ節が腫れていたくなることもあります。目の症状としては結膜が赤くなったり、涙が増えたりまぶしがったりして目やにが出たりもします。

合併症
アデノウイルスによる感染症は一般的に予後良好で自然に治癒しますが、ごく一部の患者さんで肺炎を合併します。

治療
有効な治療はなく、対処療法しかありません。また、予防は一般的な方法(うがい、手洗い、隔離など)しかありません。

登園・登校基準
主要な症状(一般的には発熱)が消失した日をゼロしてあと2日お休みします。


来院される皆様へ
当院ではお子様だけでの来院はご遠慮いただいております。必ず保護者の方あるいは経過のわかる大人といらっしゃってください。
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